スルー



乾燥した季節、毎年お義母さんは
足の裏がしもやけのような赤切れになる。
絆創膏をあっちこっちにはって
靴下を何枚も重ねてはく。
たしかに痛そうだが、毎日言われると
みんな「はいはい」と、スルーするようになる。
初めはダンナのように
あーすれば、こーすれば、とアドバイスするが
人の話には一切耳を貸さないどころか
逆に切れる。
だって、お義母さんの求めているものは
「大丈夫?身体を大事にしてね。無理しちゃだめだよ。」という
生温い言葉なのだ。
しかし、靴下をぬぐ時の
片足でバランスよく立つその姿を見ると
「元気でなにより。」なのだ。

もちろん、お近所の方からも
「お義母さん、お元気そうね。」なのだ。
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