どーよ!?
午後から雨が降ったので
傘を持たずに登校したケンとリュウに傘を届けに行った。
…といっても、傘を下駄箱にひっかけたら
さっさと帰るつもりでいた。
あの人だけには、見つからないようにと…

あっさり、御用となった _| ̄|◯
リュウの担任のスズキ先生だ。
登校拒否気味のリュウをいつも暖かく見守ってくれる
やさしい先生だ。
今日は、なにを言われるのかと私はどきどきした。
授業中、うわの空なのはもちろんのこと
提出物がでない、忘れ物が多い、人の話を聞いてない、
返事をしない、給食を食べない、課題がこなせない…
思い当たるものは、次から次へと湧いてくる。
ところが、先生の第一声は…

キラ〜ン
スズキ先生の目が獲物を狙う肉食動物の様に光った。
「お母さん、今日4年生の文集を配りましたから
ぜひ、読んでみてください。
もう、リュウくんの作文がすばらしいんですよ!
他の子と比べる以前に、もうレベルが4年生の作文じゃ
ないんです!絶対、読んでくださいよ!
前に書いたコウモリのお話(リュウの創作話)も
すごかったけど、やっぱり今回もいいですよ!
才能だと思いますよ!お母さん!」
…と、すごい勢いだ。
子供が褒められて、うれしくない親などいない。
私は、さっそくウキウキで確認してみた。
文集のテーマは、4年生の思い出だ。
リュウは遠足で行ったプラネタリウムを題材にしていた。
プラネタリウムにはたくさんの星の絵や星の写真があった。
この宇宙にはどれくらい星があるのだろう、
1億なのか1兆なのか数えきれないくらいの星がある。
…と宇宙の神秘から始まって、宇宙へ行くには大金を払うか
宇宙飛行士になるしかないという現実の話をはさみつつ、
宇宙の始まりの奇跡とこれから先の未来への不安を訴え、
最後は…
それと同じように、ぼくも宇宙できせきを起こしてみたい。
だからこそ宇宙に行ってみたいのだ。
だから宇宙の勉強をしたり調べたりして
いつか行ってみると決めた。
行けなかったら行けなかったで、しょうがないし
行ける確率なんて1%くらいだ。
しかしだからこそ確率を100%にして
宇宙に行ってみるのです。
こ、これはまさに…!
4年生の思い出などという
生ぬるいものではなく
宇宙で奇跡を起こすために
自分は宇宙へ行くという奇跡を
起こさなければならないという
奇跡×奇跡の壮大でスペクタルな
戦いへの決意の表れではないか…
もはや、リュウは私の手の届かないところに
行っていまったのか…あぁ…
しかし、別れ際にスズキ先生がもうひとつ
教えてくれたことがある。
その作文を提出した後で、時間があったので
クラスのみんなに、将来の夢を書いてもらったそうだ。
サッカー選手や野球選手、お医者さんや看護婦さんと
みんなが書く中、リュウは

もう、私は笑っていいやら泣いていいやら
すっかり、パニックになってしまいました。
スズキ先生も私に伝えたかった本題は
「一般人」の話だったのではないかと
思っております…
帰宅後、さっそくリュウに
「一般人」について聞いてみた。

…と、言っていました。
………
………
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